Sternhimmel

裏声Pがシンデレラガールズのアイドル(主に岡崎泰葉)について考えたり雑な感想を言ったりするブログです。Twitter:@usagoe716

デレステ・モバマス―二人の岡崎泰葉にとっての「アイドル」とは?

※このポストは、デレステ・モバマスの岡崎泰葉のセリフ・コミュについて多大なネタバレを含みます。

 

雑感想を書きながらデレステの泰葉コミュを見ていて、ひとつの気づきを得ました。今回はそれについて書いてみようと思います。

何かといえば、「デレステとモバマスの岡崎泰葉にとって、根本的に『アイドル』に何を求めているかが全く違っている」ということです。

ほかのすべてのアイドルに言えるか、というと自信がないのですが、多くのアイドルは「目標」を持ってアイドルになっています。それは「トップアイドルになること」であったり、あるいは白菊ほたるのように「不幸な自分でもアイドルになれると証明したい」、首藤葵のように「実家の料亭を有名にしたい」というような個人的な目標もあります。

モバマスの岡崎泰葉については、以前の投稿「岡崎泰葉はどうしてアイドルになったのか?」で取り上げました。

端的に言うと、モバマスの岡崎泰葉はモデル・子役をしながらアイドルの姿を見ており、ずっとアイドルに憧れていました。「アイドルになること」がそもそも彼女の目標であった、ということです。ですから、岡崎泰葉にとって目標を果たすためには「アイドル」にならなければいけませんでした。いわば「アイドル」になった時点で、彼女はひとつの目標を達成しています。そのため、彼女は「アイドル」という言葉を口にする機会が非常に多いです。

一部を取り上げると、

早くアイドルって認められたいの(無印)」

私はまだ本当のアイドルになれてないということなんでしょうか?(アイドルサバイバル・ステージボス)」

私はアイドルだもの…!(爛漫ひな娘)」

私は…アイドルです…!(小さな一歩)」

などがあり、特に爛漫ひな娘から小さな一歩の台詞の流れは、「アイドルである自分」を自分に言い聞かせ暗示するような台詞から、胸を張ってステージ上で言えるようになるまでの変化が描かれていると言ってもいいでしょう。モデル・子役をやりながら「幸せ」「楽しむこと」がわからなかった彼女が、アイドルになることでそれらを少しずつ知っていく。それがモバマスにおける岡崎泰葉の物語の主軸です。

それでは、デレステの岡崎泰葉にとっての「アイドル」とは何なのか?

現時点で、デレステの岡崎泰葉から「アイドルに憧れていた」というような台詞は聞くことができません。

雑感想で書きましたが、プレイヤー(プロデューサー)は「楽しめることを見つけてみない?」というスカウトの方法を取っています。岡崎泰葉がアイドルに興味を持ったのは、「いまモデルをやっていてはわからない『楽しむこと』がアイドルをやればわかるかもしれない」という感情からです。

つまり、極端なことを言えば「アイドルでなくても良かった」のです。プレイヤーはアイドル部門からの見学という場面で岡崎泰葉に出会っていますが、もしこれが女優部門からの見学で、同じ言葉をかけていたなら…。彼女は女優として、『楽しむこと』を探すことになったかもしれません。

デレステの岡崎泰葉の目標は「『楽しむこと』を見つける」ことです。モバマスの岡崎泰葉の目標は「アイドルになること」でした。

すなわち、モバマスの岡崎泰葉にとっての「アイドル」は最初から「目標」であるのに対して、デレステの岡崎泰葉にとっての「アイドル」は最初、「手段」でしかありませんでした。

そして、アイドルとなり、ステージに立った彼女は親愛度演出でこう語ります。

私、思い出したことがあるんです。どうして、ここまで芸能界で生きてきたのか。最初は、親や誰かに笑ってほしくて……それだけでした。それだけのために、頑張ってきたんです。ステージや歓声が思い出させてくれるんです。今もう一度、あの頃の私に会いに行くような……そんな心地です。

さらに、トップコメントでは

楽しいって思えること、私はもう出会っていたんですね

と話してくれました。

岡崎泰葉にとっての『楽しむこと』は、彼女自身の中にあった。それを、岡崎泰葉はアイドルとして仕事をしながら思い出すことになります。そして、

モデルの頃よりお仕事が楽しくて…この気持ち、伝わっていますか?

と、出会いのときプロデューサーの語った「楽しめることを見つけてみない?」に対する答えが見つかったことを教えてくれました。

モバマスの岡崎泰葉も同じように言っています。

最初はちょっと不安だった…でも最近アイドルのお仕事が充実してきたの! モデルの頃よりお仕事が楽しくなってきたのかなって。この気持ち、プロデューサーにも伝わってますか?(無印+ プロフィールコメント)」

アイドルが「目標」だったモバマスの岡崎泰葉。

アイドルが「手段」だったデレステの岡崎泰葉。

ふたりは全く「アイドル」に対しての考え方が違っていました。けれど、彼女たちは同じようにステージに立ち、歓声を浴び、「アイドル」として生きることで、次のステップへの階段を少しずつ、着実に踏みしめていきます。

そして、アイドルが「目標」だった岡崎泰葉は、今度アイドルを「手段」とするのです。多くのファンに夢を届けるため、アイドルを続けるように。

反対に、アイドルが「手段」だった岡崎泰葉は、今度アイドルが「目標」となります。楽しむことを見つけるために始めたアイドルから、トップアイドルへ。

夢って不思議です。ひとつ夢を叶えると、次々に違う夢が生まれてきて…また新しい夢に挑戦しましょう!プロデューサーさん!(ワンモアステップ 親愛度MAX)」

ファンやプロデューサーさんの笑顔をずっと見ていられるように、トップアイドルを目指して頑張ります……!(デレステ 特訓エピソード)」